こちらの記事でフリーソフトのバックアップソフト と Windows 標準のバックアップソフト の性能比較の為、
Windows 10 標準のバックアップ機能、“バックアップと復元(Windows 7)”でバックアップを実行しましたが、
「Windows バックアップは、重要なボリュームの1つに十分な空き領域がないため、システム イメージのバックアップをスキップしました。」というエラーによりバックアップが失敗。
結論、一部パーティションの空き領域が不足していた為、Windows バックアップが失敗していた事がわかりました。
詳細な解決方法を紹介します。
- Windowsバックアップ機能「バックアップと復元(Windows 7)」で
“Windows バックアップは、重要なボリュームの1つに十分な空き領域がないため、システム イメージのバックアップをスキップしました。”というエラーが発生している方
- ディスクやパーティション(ボリューム)を管理したいと考えている方
すべてのパターンを網羅した説明はできませんが、パーティションの拡張や縮小、移動を含む作業手順を紹介しています。
別事象で同じような対応が必要な場合でも参考になると思います。
事象
Windows バックアップ実行で発生したエラー と イベントビューアーでも出力されたログ を確認しました。
- Windows バックアップ:エラー内容
-
Windows バックアップは、重要なボリュームの1つに十分な空き領域がないため、システム イメージのバックアップをスキップしました。不要なファイルを削除して領域を確保し、もう一度お試しください。
引用元:Windowsバックアップ機能「バックアップと復元(Windows 7)」で発生したエラー画面 - Windows バックアップ:エラー画面
- イベントビューアー:エラー内容
-
バックアップは成功しませんでした。エラー: Windows バックアップは、重要なボリュームの 1 つに十分な空き領域がないため、システム イメージのバックアップをスキップしました。不要なファイルを削除して領域を確保し、もう一度お試しください。 (0x81000033)。
引用元:イベントビューアーのエラー内容 - イベントビューアー:エラー画面
環境
OS:Windows 10 Pro
Oracle VM VirtualBoxによる仮想環境。
- ホストOSのスペック
-
CPU Intel(R) Core(TM) i3-8100T CPU @ 3.10GHz CPU世代 第8世代 コア数 4 コア スレッド数 4 スレッド メモリー 16GB 表:ホストOSのスペック - ゲストOSの割り当て
-
プロセッサー数
(仮想環境に割り当てるコア数)2 コア メモリー
(仮想環境に割り当てているメモリーサイズ)4 GB 表:ゲストOSの割り当て - ゲストOSのバージョン
-
PS C:\\Users\\Administrator> Get-ComputerInfo | select WindowsProductName, WindowsVersion, OsHardwareAbstractionLayer WindowsProductName WindowsVersion OsHardwareAbstractionLayer ------------------ -------------- -------------------------- Windows 10 Pro 2009 10.0.19041.2728 PS C:\\Users\\Administrator>
補足事項:VirtualBoxで設定可能なプロセッサー最大値 と 物理CPUのコア数(もしくはスレッド数)と差異あり
こちらの情報を参考にするとVirtualBoxのProcessor
の設定値は、 多くとも物理CPUの スレッド数 - 1
(今回の物理環境のケースだとスレッド数が4であるため、3が最大値となる)しないといけないらしい。
最大値を超えた値で設定してしまうと、ホストOSの挙動がおかしくなる可能性ありとの事。
(なぜ、VirtualBox側でスレッド数を超える値が設定可能なのだろう...)
参考情報:VirtualBoxのProcessor設定値について
エラー後の一次対応
エラー発生後、原因がわからなかったのでバックアップの再処理やバックアップ対象のディスクをクリーンナップしリトライするなどするも同じエラーが発生し続ける。
下記はバックアップ先 と バックアップ元 の構成。
- バックアップ先のディスク容量
-
総容量:465GB / 使用済み:294GB / 空き領域:171GB
- バックアップ元(ゲストOS)のディスク容量
-
パーティション 総容量 使用済み 空き領域 システムで予約済み 50.00MB 26.39MB 23.61MB Cドライブ 49.41GB 30.24GB 19.17GB 回復パーティション 552.00MB 465.72GB 86.28MB 表:バックアップ元(ゲストOS)のディスク容量
原因
発生したエラーをもとに調べた結果、こちらの記事が見つかりました。
この記事で
いろいろ調べると、Windowsのシステムイメージを作る場合には、
引用元:Windowsバックアップは、重要なボリュームの1つに十分な空き領域がないため・・・ – きまっし金沢の雑記帖
500MB未満のボリュームに対して50MBの空き領域
500MBを超えるボリュームに対して320MBの空き領域
1GBを超える場合、各ボリュームについて、1GBの空き領域
が必要という事がわかりました。
という記載がありました。
この内容を表形式にしてみると下記のとおり。
ボリュームの容量 | 容量に対し必要な空き領域 |
---|---|
500MB未満 | 50MB以上 |
500MBより大きい | 320MB以上 |
1GBより大きい | 1GB以上 |
これら調査した結果、今回わたしが取得しようとしているディスク内のパーティションの空き領域が足りない事が原因でWindows バックアップが失敗している事がわかりました。
(私の環境)パーティションで必要な空き領域
パーティション | 総容量 | 使用済み | 空き領域 | 必要な空き領域 |
---|---|---|---|---|
システムで予約済み | 50.00MB | 26.39MB | 23.61MB | 空き領域が足りない! 500MB未満のパーティションの為、50MB以上が必要。 |
Cドライブ | 49.41GB | 30.24GB | 19.17GB | 空き領域OK! 1GBより大きいパーティションで、空き容量も1GB以上ある。 |
回復パーティション | 552.00MB | 465.72GB | 86.28MB | 空き領域が足りない! 500MBより大きく1GB以下のパーティションの為、320MB以上が必要。 |
補足情報:ディスク内のパーティションを確認する方法
確認する方法は主に下記の3点。
- Windows の管理ツール “ディスクの管理”
- PowerShell コマンドレット 「 Get-Volume 」
- パーティション管理ソフト
- Windows の管理ツール “ディスクの管理”
-
- キーボード操作で開く方法
「 ⊞ Windowsキー + R 」で起動する“ファイル名を指定して実行”で「diskmgmt.msc
」でOKボタンを押すと開く。
または、
「 ⊞ Windowsキー + X 」で“クイック リンク メニュー”の表示を確認し、 「 K 」で“ディスクの管理”を開く。
- マウス操作で開く方法
スタートメニューを右クリックで“クイック リンク メニュー”の表示し、“ディスクの管理”を選択。
または、
スタートメニュー を開き、「 Windows 管理ツール → コンピューターの管理 」をクリック。
コンピューターの管理が起動後、左側のメニューから“ディスクの管理”を選択。
- キーボード操作で開く方法
- PowerShell コマンドレット 「 Get-Volume 」
-
PowerShellは、Windows 標準機能となる為、インストール作業などの事前準備が不要。
コマンド実行に嫌悪感がない方はエビデンスも取得しやすく便利なのでオススメ。PS C:\\Users\\Administrator> get-volume DriveLetter FriendlyName FileSystemType DriveType HealthStatus OperationalStatus SizeRemaining Size ----------- ------------ -------------- --------- ------------ ----------------- ------------- ---- D Unknown CD-ROM Healthy Unknown 0 B 0 B システムで予約済み NTFS Fixed Healthy OK 26.39 MB 50 MB C NTFS Fixed Healthy OK 19.17 GB 49.41 GB NTFS Fixed Healthy OK 86.28 MB 552 MB
- パーティション管理ソフト
-
詳しい説明は後述していますが、パーティションの拡張や縮小、移動をするため、今回は「 MiniTool Partition Wizrd Free 」というフリーソフトを使用しました。
このようなパーティション管理ソフトでも現在の構成を確認することができます。
Windows OSでは、たくさんのフリーソフトがあります。馴染みのソフトがあれば、このソフトの導入は不要です。
少し脱線してしまいますが、私が知っているほかのフリーソフトは、下記2点です。
EaseUS Partition Master Free は検証済み。無料版では今回、実現したいことができませんでした。
AOMEI Partition Assistant については検証未実施のため、不明。
原因調査で参考にした記事
恒久対応(解決した方法)
前述したとおり、一部のパーティションにおいて空き領域が足りていない為、バックアップが失敗。
正常にバックアップするためにまず、空き容量が余っている「Cドライブ」を縮小し空き領域を作り、
その空き領域を使い空き領域が足りていないパーティションに割り当てる(拡張)という対応を実施しました。
ここで課題になるのがWindows OSの標準機能だとパーティションの拡張や縮小、移動などが簡単にできないという事。
また、拡張する際は空き領域を対象のパーティションの右側に配置するなどの位置関係の条件も満たす必要があり、かなり面倒です。
これら課題を達成するため、今回はフリーツールの「 MiniTool Partition Wizard Free 」というパーティション管理ソフトを導入してみました。
補足情報:参考記事には「 EaseUS Partition Master 」の無料版でも対応可能と記載されていたが対応不可だった
原因調査でみつけた記事の対応方法には、
EaseUS Partition Masterというソフトがあったので製品版を入手して使ってみました。
引用元:Windowsバックアップは、重要なボリュームの1つに十分な空き領域がないため・・・ – きまっし金沢の雑記帖
~ 省略 ~
今回は製品版を使いましたが、無料版でもパーティションのリサイズ/移動/コピー/拡張/結合/エラーチェックや、GPT、MBRのデータディスクにおける相互変換、OS/パーティションのクローンができると説明されていました。確認はしていません。
との記載があり無料版でも実現できると思い実際に「 EaseUS Partition Master Free 」試しましたが、
“ボリュームの拡張”機能は、有料となる製品版へのアップグレードが必要である旨のメッセージがあり、
無料版だと対応できませんでした。
機能一覧 | Free版 | Pro版 |
---|---|---|
基本機能:隣接する未割り当て容量でリサイズ/移動/結合 | ☑ | ☑ |
高度機能:パーティションを直接にリサイズ/移動/結合 | ☐ | ☑ |
下記が実際に試した際のエビデンスです。
Pro版へのアップグレードが必要なメッセージが表示されてしまう。
参考にした記事では対応不可となっている「 MiniTool Partition Wizard Free(無料版)」ですが、
私が作業してみた結果、問題なくボリュームの縮小と拡張ができました。
MiniTool Partition Wizard Freeを使いパーティション変更
下記内容で各パーティションのサイズ変更を行う。
- Cドライブ:約1GB 減らす
- “システムで予約済み”:50MB ➡ 約100MB に増やす
- “回復パーティション”:約500MB ➡ 約800MBに増やす
本項の“Cドライブ”の縮小で、エラーが発生した場合の対応方法
何回か検証していた際、設定適用後に行われる「 OS再起動 + 再起動後のCLIリサイズ処理 」でまれにエラーが発生しました。
エラー発生後、自動で元の状態に復元するのでOSが起動できないなどのクリティカルな問題は発生しませんでしたが、
そのままだと目的のパーティションのサイズを変更できません。
この現象は下記の対応方法で解決。
今回、システムで予約済みパーティション用の未割り当て領域を500MB。
回復パーティション用の未割り当て領域を500MBとしています。
必要最低限なサイズで拡張したい場合は、細かく計算してからサイズ変更を実施してください。
- パーティションサイズを任意のサイズ縮小
「49.41GB」から「48.41GB」に変更(1GB 減らす) - 前の未割り当て領域を追加
「0」から「0.50GB」に変更(500MB 増やす) - 後の未割り当て領域を追加
「0」から「0.50GB」に変更(500MB 増やす)
再起動後、自動的にソフト独自のCLIの画面が起動。
そこでシステムドライブであるCドライブのサイズの変更が実行される。
私の環境だと、Resize partition: ○% が 100%となるまで約40分で完了した。
デスクトップのアイコンのダブルクリック か スタートメニュー から MiniTool Partition Wizard を選択する事で起動。
- “パーティションサイズ”を任意のサイズ拡張
「50.00MB」から「100.00MB」に変更(増やす) - “後の未割り当て領域”のサイズ縮小(上記を入力後、自動で反映)
「512.00GB」から「462.00GB」に自動で変更(減らす)
- “パーティションサイズ”を任意のサイズ拡張
「564.79MB」から「884.79MB」に変更(増やす) - “前の未割り当て領域”のサイズ縮小(上記を入力後、自動で反映)
「499.21MB」から「179.21MB」に自動で変更(減らす)
MiniTool Partition Wizard上ではサイズ変更が反映されるも、 OSのディスクの管理では最新状態ではないので、OS再起動を実施。
Windowsバックアップが正常終了することを確認。
長い作業、おつかれさまでした。
まとめ
下記の対応を行いWindows バックアップが正常終了しました。
- 事象
Windows バックアップのエラー「重要なボリュームの1つに十分な空き領域がないため、システム イメージのバックアップをスキップ」 - 原因
一部パーティションの空き領域が足りないことが原因だった。 - 対応
空き領域があったシステムドライブをパーティション管理ソフトで縮小し、不足していたパーティションを拡張。
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